Street Life / Crusaders

P5NEO2005-03-31

昨夜(今朝)は眠るポイントを失ってしまい、11時過ぎからザッピング。ゆるい雰囲気のバラエティ番組があるかと思えば、クローズアップ現代の再放送があったりして、12時前後の各局のラインナップは悪くないものです。


さあ寝ようかという時に耳に飛び込んできたのが、クルセイダースfeat.ランディ・クロフォードの「Street Life」。タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』にも効果的に使われていたあの曲です。『ジャッキー..』ではパム・グリアーが颯爽と現れてきたけど、昨夜の画面から登場したのは、ヒゲのマッチョ・ガイ、バート・レイノルズ。というわけで、今日はバート・レイノルズ監督・主演の'82年の映画を紹介です。



『シャーキーズ・マシーン』(原題:Sharky's Machine)

ジョージア州アトランタ警察の刑事シャーキーは、捜査の猛烈ぶりをとがめられ麻薬課から風俗取締班へ左遷されてしまう。そこには、通称パパやアーチーといったベテラン刑事が売春婦(夫)を相手に職務をこなしていた。ある日、僅かな手掛かりから州知事候補につながる高級娼婦ドミノの存在が浮かび上がる。早速、24時間体制で彼女の監視を開始したシャーキーだったが、双眼鏡越しに見つめる彼女の姿にいつしか心惹かれてしまう。ところが、そのドミノを突然、ショットガンが襲う。(Disc Stationのサイトから)

”シャーキーズ・マシーン”・・・シャーキーを中心にして、落ちこぼれの刑事たちが団結して巨悪に立ち向かっていく、という設定。はっきり言ってケチをつけたくなるところはけっこうあるんだけど、それはそれでまあいいでしょう。なんてったって、主演も監督もバート・レイノルズですから。よく言えば、過剰な演出や説明的なシーンを取り除いた男っぽい映画。悪く言えば、自分をかっこよく演出するためには細かいところはどうでもいいといった演出の映画というところでしょうか。


例えば非常階段での追走シーン。仲間たちが次々と撃たれて死んでいきます。これがスタローンの映画だったら、仲間を殺されていくうちにスタローンの中でメラメラと復讐の炎が燃えていって、最後は爆発していくんだろうけど、さすがは元祖マッチョのレイノルズ。意外とサラッとしているんですよね。その割には最後までハードボイルドでいくのかと思えば、ラストはなんとブランコのシーン(ネタバレになるのでここまでで自粛)。


好きなところも・・・・。
シャーキーはドミノの暮らしを監視していくうちに、彼女に心を奪われていってしまうのだけど、その過程の演出ぶりは見事なもんです。彼女が男に抱かれている間も盗聴と監視を続けなければいけない苦悩。彼女を守るために自宅に連れ帰るのだけど、部屋には彼女の写真がたくさん貼ってあり、しまったと落ち込む純情さ。一番好きなのは、盗聴器から聞こえてくるドミノの歌声に合わせてシャーキーが”My Funny Valentine”を口ずさむシーン。手が届かない女(一晩1000ドルの高級売春婦)に思いを寄せていく、このシーンを見ていると、どんなアラも帳消しにしてくれるでしょう。


良くも悪くもバート・レイノルズの映画。豪快な味付けの男の料理のような演出が好きかどうかでこの映画の評価が変わるでしょうね。同じくバート・レイノルズ主演の『ロンゲスト・ヤード』あたりを見たくなりました。