猟盤日記@HMV その31

P5NEO2006-04-08



Caught Up / Millie Jackson
Still Caught Up / Millie Jackson (♯2195)2 in 1


元祖ビッチ系シンガーのミリー・ジャクソン。
これは,彼女の'74年の3rdと'75年の4thアルバムを2 in 1にしたもの。
『Caught Up』の方は,1曲目にルーサー・イングラム「(If Loving You Is Wrong)I Don't Want To Be Right」を持ってきていることからもわかるように,男女の不倫を扱った歌ばかりが並んでいる。
しかも,A面は愛人の側の立場から,B面は本妻の立場から歌った曲と,構成も面白いもの。
蜘蛛の巣にとらえられた男と二人の女というジャケットも内容を的確に表しています。


タイトルを意訳すると
「あなたを愛するのが悪いことなら,私は間違っていてもいいの」
「一回,ガツンとなぐってやりたいわ」
「コソコソするのに疲れたの」
「出て行くのは簡単だけど,戻るのは・・・・」


とまあ,こんな感じ。
どうです? 曲の世界が想像できるでしょう?

この「(If Loving You Is Wrong)I Don't Want To Be Right」は曲間の語りとrepriseも含めて11分以上にもなる熱唱。このどろどろと濃い,すえた匂いがするような世界が苦手な人は毛嫌いするでしょうね。


私? もちろんこういう匂いは大好き。
マッスル・ショールズ・スタジオ録音ですから,バックの演奏も時には粘っこく,時にはタイトに,気持ちの良い演奏です。