Hold Me Closer Tiny Dancer

P5NEO2005-01-03

またまた映画日記。今回もネタバレいっぱいです(笑)。
昨日見たのは『あの頃ペニー・レインと』(2000年)。
バニラ・スカイ』と同じくキャメロン・クロウの監督作品。

舞台は1973年。主人公は厳格な母に育てられたウィリアム少年。彼がロック・ミュージックを聞き始めたのは,家を出た姉が残したレコードから。地元の新聞に掲載された彼の原稿がローリングストーン誌の編集者の目にとまる。そして彼はローリングストーン誌からブレイク寸前のロックバンドのツアーに同行取材する仕事を得る。そこでウィリアムは、グルーピーのリーダー的存在、ペニー・レインと出会う。  <公式サイトのあらすじから>


ローリング・ストーン誌のライターをしていたクロウ監督の自叙伝的作品なのだそう。
「いい映画か?」と聞かれたら「?」といったところ。「好きな映画か?」と聞かれたら「!」。
'70年代のロック音楽に思い入れがある人は絶賛するでしょうし,
そうでもない人,予備知識が無い人はストーリーのテンポの遅さにいらつくでしょう。
クロウ監督の映画って「ザ・エージェント」もそうでしたが,
見終わった後にホッとあたたかいものが残るんですよ。
そのあたりが,彼が敬愛するビリー・ワイルダー監督作品と似ているところ。


原題は”Almost Famous”。
ヒット曲が一つしかないブレイク寸前のバンドが登場することもあって,いいタイトルですよね。
この”Still Water”というバンドのモデルは,Allman Brothers Band なのだそうだけど,
同じカプリコーン・レコードに同名バンドもあるみたい(実際に昨日のセール会場でアルバムを見つけました)。


登場する曲はこんな感じ。

"America" / Simon & Garfunkel
"Sparks" / The Who
"It Wouldn't Have Made Any Difference" / Todd Rundgren
"I've Seen All Good People:Your Move" / Yes
"Feel Flows" / The Beach Boys
"Fever Dog" / Stillwater
"Every Picture Tells A Story" / Rod Stewart
"Mr. Farmer" / The Seeds
"One Way Out" / The Allman Brothers Band
"Simple Man" / Lynyrd Skynyrd
"That's The Way" / Led Zeppelin
"Tiny Dancer" / Elton John
"Lucky Trumble" / Nancy Wilson*1
"I'm Waiting For The Man" / David Bowie
"The Wind" / Cat Stevens
"Slip Away" / Clarence Catter
"Something In The Air" / Thunderclap Newman

サントラには収録されていないけれども,他にもたくさんの曲が登場します。
'70年代のロックがたくさん登場するから,音楽好きにはディテールが楽しめます。
私が好きなシーンのいくつか。

  • 映画の終盤,今にも落ちそうな飛行機の中で,バンドのリーダーがバディ・ホリーの「Peggie Sue」を歌うところ*2
  • ドラッグでラリってるメンバーやグルーピーたちが歌うのがサンダークラップ・ニューマンの「Something In The Air」。
  • ローリング・ストーン誌の表紙になると聞いたバンド・メンバーが歌い出すのが,Dr.Hookの「Cover Of The Rolling Stone」*3


一番好きなシーンは「Tiny Dancer(Elton John)」を歌うところ。
移動中のバスの中でラジオからこの曲が流れてくるんだけど,
最初は一人だけ,次々とみんなが歌い始めて大合唱になる。
ケンカして心が離ればなれになったメンバーがやっぱり一つにまとまっていく様子が
このシーンから見えてくるんです。この曲が入ったアルバム,マジで欲しいです。

*1:元Heartのメンバーで,クロウ監督の奥さん

*2:バディ・ホリーは飛行機事故で死んだ

*3:「ローリング・ストーン誌」の表紙になりたいと歌った曲。この曲が小ヒットして彼らは実際に表紙を飾った。http://www.banned-width.com/shel/works/rstone.html